フィンランド国防大学によるロシア情報戦に関する研究
ロシアの脅威と絶えず向かい合ってきた「北欧の人々」
そこから生まれたロシア戦に向かい合う「北欧の叡智」
ロシアの欺瞞手法の研究に専念している西側の機関は、本書を必読書に加えるべきである ~ティモシー・トーマス(Timothy Thomas)米国陸軍(退役)
“ロシアの影響工作の理論的な基盤である反射統制(Reflexive Control)理論とは?”
“本研究の目的は、反射統制(Reflexive Control)が何を意味するのか、それがどのように適用できるのか、またそれを適用するためにどのような方法を用いることができるのかを明らかにすることである。本研究では、反射統制とシステム理論のより広い概念を組み合わせて、西側の資料ではあまり議論されていない視点から問題を検討している。同時に、筆者はまた、公開されているロシアと西側の文書を広く利用することにより、西側の議論にありがちで、根拠のないこのテーマに関する秘密主義的な雰囲気を和らげようとしている。“ -要旨より-
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アンティ・ヴァサラ (著),
鬼塚隆志 (監修), 壁村正照 (翻訳), 木村初夫 (翻訳)
ISBN: 9784909542-45-8 0031 A5上製 186頁
本体価格:2,300円+税
発売日:2022/10/28
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著者について
■アンティ・ヴァサラ 1977 年生まれ。フィンランド国防軍少佐(一般幕僚)、歩兵学校(陸軍士官学校)将校教育部長として勤務。
■鬼塚隆志 1949 年、鹿児島県生まれ。1972 年防衛大学校電気工学科卒(16 期)。現在、株式会社エヌ・エス・アール取締役、株式会社NTT データアドバイザー、日本戦略研究フォーラム政策提言委員、公益財団法人偕行社評議員。フィンランド防衛駐在官(エストニア独立直後から同国防衛駐在官を兼務)、第12 特科連隊長兼宇都宮駐屯地司令、陸上自衛隊調査運用室長、東部方面総監部人事部長、愛知地方連絡部長、富士学校特科部長、化学学校長兼大宮駐屯地司令歴任後退官(陸将補)。単著『小国と大国の攻防』(内外出版)、共著『日本の核論議はこれだ』(展転社)、『基本から問い直す 日本の防衛』(内外出版)等、共訳書『中国の進化する軍事戦略』『中国の情報化戦争』(ともに原書房)、監修『マスキロフカ ―進化するロシアの情報戦! サイバー偽装工作の具体的方法について―』(D・P・バゲ著、五月書房新社)、論文「高高度電磁パルス(HEMP)攻撃の脅威 ―喫緊の課題としての対応が必要―」「ノモンハン事件に関する研究」「国民の保護機能を実効性あるものとするために」等多数。
■壁村正照 【担当】第1 章および第2 章
1964 年、大分県生まれ。1986 年防衛大学校電気工学科卒(30 期)、米国南カリフォルニア大学大学院電気工学修士課程卒。現在、株式会社エヌ・エス・アール研究員、株式会社NTT データアドバイザー、公益財団法人偕行社現代戦研究員。フィンランド兼エストニア防衛駐在官(外務省出向)、陸上自衛隊の第6特科連隊長、群馬地方協力本部長、東北方面総監部情報部長、西部方面特科隊長、第15 旅団副旅団長歴任後退官(陸将補)。
■木村初夫 【担当】要旨、序文、第3 章、第4 章、付録1
1953 年、福井県生まれ。1975 年金沢大学工学部電子工学科卒。現在、株式会社エヌ・エス・アール上級研究員、株式会社NTT データアドバイザー。1975 年日本電信電話公社入社、航空管制、宇宙、空港、核物質防護、危機管理、および安全保障分野の調査研究、システム企画、開発担当、株式会社NTT データのナショナルセキュリティ事業部開発部長、株式会社NTT データ・アイの推進部長、株式会社エヌ・エス・アール代表取締役歴任。訳書に『マスキロフカ ―進化するロシアの情報戦!サイバー偽装工作の具体的方法について―』(D・P・バゲ著、五月書房新社)、『中国の進化する軍事戦略』『中国の情報化戦争』『中国の海洋強国戦略 ―グレーゾーン作戦と展開―』(以上、共訳、原書房)がある。また『中国軍人が観る「人に優しい」新たな戦争 知能化戦争』(五月書房新社)では解説を執筆。主な論文に「A2/AD環境下におけるサイバー空間の攻撃および防御技術の動向」「A2/AD 環境におけるサイバー電磁戦の最新動向」(ともに『月刊JADI』所収)等がある。