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電磁波戦 -見えない戦場の意思決定

9,900円

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これまでのいかなる戦闘とも違い、人間にとっては見えざる戦闘領域。ハイテク武器が一瞬にして無力化する脅威とも言える。この攻撃を重要インフラに向けた時、文明社会は崩壊する。電磁波戦における可視化の方法とは? ------------------------------------------------ コグニティブ電子戦システムでは、プログラムされていない敵のシステムをその場で学習し対抗する。その技術は、ソフトウェアとアルゴリズムが中心で、GPU 等の適切なハードウェアにより実現する。高品質な検出を行うセンサー、妨害技術の有効性のリアルタイム評価、複数プラットフォーム協調のためのネットワーク技術、予備検出データの信号処理など多くの要素を含む。コグニティブ電子戦の基礎レベルでの実装は比較的容易で、米海軍の ALQ-214(V)4/5 RFCM(Radio Frequency Countermeasure)への ARC アルゴリズムへの適用等が行われてきた。一方、初期のコグニティブ電子戦システムの技術成熟度レベル(TRL)は高いとは言えず、測定系の複雑化、電子支援と電子攻撃の結合度増加、電波源処理の段階化・階層化、システム学習情報の保持、後のミッションでの再利用、システムアーキテクチャレベルの再構築等の課題があった。周知のように、昨今の AI や機械学習技術の進歩には目覚ましいものがあり、AI アプローチによるコグニティブ電子戦は、従来のコグニティブ電子戦の課題を解決する最も強力な手段である。本書では、コグニティブ電子戦の基礎、目的関数、機械学習の基礎、コグニ ティブ電子戦における電子支援・電子防護・電子攻撃、電子戦闘管理、リアル タイムの任務遂行中の計画立案・学習、データ管理、システムアーキテクチャ、試験・評価、初心者のための導入アドバイスなど、コグニティブ電子戦システ ムの要素技術を網羅的に判りやすく解説している。電子戦の専門家、AI の専門家、通信の専門家はもとより、これらのどの専門家でもない技術者、運用者、安全保障関係者は本書により各要素技術の概要を短時間で習得できる。アカデミ アの研究者にとっては、ゲーム等とは違うミッションクリティカルな最適化シ ステム構築のガイドとなる。本書は、中国の『認知電子戦の原理と技術』(2018 年)に続いて、西側世界では初めてのコグニティブ電子戦に関する成書の刊行と、著者の実用化ノウハウに基づいた共通フレームワーク(意思決定の AI アプローチ)を提示するものという点でも意義深い。深層学習による画像認識や自動目標認識については、軍用分野でも一般的適用事例であるが、機械学習等による意思決定の最適化問題の事例紹介は、まだ少なく、今後の指揮統制の意思決定問題への重要な参考事例になると考える。 2022 年 8 月吉日 AOC 日本支部 EW 研究会幹事 三菱電機株式会社 情報技術総合研究所 スマートセンシング技術部 技術統轄 河東 晴子博士 --------------------------------------------------------- カレン・ジータ・ヘイグ、 ジュリア・アンドルーセンコ著、 木村 初夫訳、杉原修編集 ISBN:9784909542-51-9 C0031 A5並製 296頁 本体価格:9,000円+税 発売日:2023年4月25日 ------------------------------------------------------------ 著者について ◆カレン・ジータ・ヘイグ(Karen Zita Haigh)博士は、コグニティブ電子戦と組み込みAIの専門家・コンサルタントである。彼女は、通信と計算資源が限られた物理システムで、高速なハードリアルタイムの要件で動作させることに重点を置いている。最近、彼女は『Cognitive EW: An Artificial Intelligence Approach』をジュリア・アンドルーセンコ氏と共に執筆。現在では世界中で一般的になっている3つの分野、(1)自律型ロボットの閉ループ計画立案と機械学習、(2)高齢者介護のためのスマートホーム、(3)認知型RFシステムのパイオニアである。また、ミッションクリティカルシステムのための組み込みAI、迅速なリアルタイム任務内学習のサポート、現場でのAIの保証といったさまざまなオンラインコンテンツを作成している。コグニティブ電子戦に関する彼女の講座は、米国電子戦学会(Association of Old Crows)を通じて提供されている。オタワ大学でコンピュータサイエンスBScの最優等位(summa cum laude)を取得。カーネギーメロン大学でA… ◆ジュリア・アンドルーセンコ(Julia Andrusenko)は、ジョンズホプキンス大学応用物理学研究所(APL)の上級通信技術者で、戦術通信システムグループの主任技術者である。通信理論、無線ネットワーキング、衛星通信、RF 伝搬予測、通信システムの脆弱性、通信システムのコンピューターシミュレーション、進化計算、遺伝的アルゴリズム/プログラミング、MIMO、およびミリ波技術の分野で19 年以上の経験を有する。また、さまざまな先進的な商用通信システムと軍用データリンクのためのEW 手法の開発にも豊富な経験を有している。アンドルーセンコは多くの技術論文を発表しており、『Wireless Internetworking:Under-standing Internetworking Challenges』という書籍も共著でWiley/IEEE Press から出版している。また、フィラデルフィアのドレクセル大学で電気工学の学士号と修士号を取得している。IEEE 通信学会の会員であり、IEEE 1900.5 Working Group on Policy Language and Archi… ◆木村 初夫(きむら はつお) 1953 年、福井県生まれ。1975 年金沢大学工学部電子工学科卒。現在、株式会社エヌ・エス・アール上級研究員、株式会社NTT データアドバイザー。1975 年日本電信電話公社入社、航空管制、宇宙、空港、核物質防護、危機管理、および安全保障分野の調査研究、システム企画、開発担当、株式会社NTT データのナショナルセキュリティ事業部開発部長、株式会社NTTデータ・アイの推進部長、株式会社エヌ・エス・アール代表取締役歴任。共訳書に『中国の進化する軍事戦略』、『中国の情報化戦争』、『中国の海洋強国戦略』(以上原書房)、『知能化戦争』(解説を執筆)、『ロシアの情報兵器としての反射統制の理論』、『AI 海戦』(以上五月書房新社)がある。訳書に、『マスキロフカ』(五月書房新社)がある、主な論文に「A2/AD 環境下におけるサイバー空間の攻撃および防御技術の動向」、「A2/AD 環境におけるサイバー電磁戦の最新動向」(月刊JADI)等がある。

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